呼吸の練習 - ふいご呼吸法 - 空気を感じる


ヨガの方法で、ふいご呼吸法というのがあります。成瀬雅春さんという人の仕事力を10倍高める呼吸法トレーニング携帯用リンク )という本の中から、幾つかご紹介したいと思います。

呼吸はフルートを吹いて行く上でとっても大事なのですが、呼吸法が上達してくると、自分の体が立体的に見えてきます。これは声楽の発声法に近いと言われるフルートの音作りの上でポイントが高いことです。高音域、低音域の響きは、特に体を共鳴させる方法を使うことで豊かになるからです。実際体の中には、心臓、内臓etc. がギッシリ詰っているわけですが、イメージとして、体を空間としてイメージ出来るようになると音の響きの豊さが上がります。
また息は都市ガス・プロパンガスと同じで見えません。ガスは防災上臭いを付けてますが、息は・・・基本的には無臭ですよね。見えない、臭わないつまり五感を刺激しない。

だから実際息を出しながら吹いているにも関わらず、皆さんそれがどう出ているかとか、どの方向にどう行ってるかとか、あんまり意識していないのです。でも見えないけど”見える”そんな感覚が付いてくると、かなり上達します。呼吸法は、肺活量を増やすだけでなく、そんな体の使い方、息の意識も育てると思って良いかと思います。

さて、まず第一の練習方法はふいご”呼吸法。ふいごとはその昔暖炉や、釜に風を送って火を焚くための道具。アコーディオンの折り畳まれている部分を想像して頂ければ良いかと。


ふいご呼吸法は、そんなふいごになったツモリでお腹を動かして行います。

まず”鼻から”吐きます。この時お腹をガッと凹ませながら吐きます。
そしてお腹を戻しながら吸います。

これを10回繰り返して、10回目の”吸う”の時に思いっきり吸って、息を止める。

この止めている時間が延びて行くことを一応の目標にする

という呼吸法。

鼻先でフンフン吸ったり吐いたりするだけだと(鼻をすするように)、深く息が吸えないので、鼻の奥で吸うつもりで行ってます。成瀬さんアドバイスは、お腹の動きが無限マーク∞のように、止まる事なく動かすのがコツ。フーンフーン(はくーーすうーー)という二分音符的動きであって、フンッ!フンッ!と休みが入る八分音符+八分休符の動きではないということですね。

ゆっくりになれば成る程辛いので、最初はメトロノーム80くらいで段々60くらいに遅くして行く感じでしょうか。

私の大学ではキリスト教音楽が必修で、授業の中でパイプオルガンに触る機会がありました。パイプオルガンはフルートと同じで管に空気を送って音を出しています。現在は電気で風を送っているわけですが、私の大学のホ—ルのオルガンには”ふいご”で風を送る、古来のシステムが併設されていました。

当時のオルガン©http://macorgan.exblog.jp

絵のふいごは手で押していますが、私の大学のオルガンは大きいのもあってか、人が板の上に乗ってその重みで風を送りました(停電の時でも使える&恐らく教育目的もあって併設したのでしょう)。高さも2m近く上がったような記憶があります。上がりきった所で軽くジャンプすると重みと共にフワーっと降りてくる感覚、そしてそれと共にオルガンから音が聞こえて来た感覚は今でも覚えています。”空気は存在するのだ”と強く感じました。

一度、”ふいご”をご自分で体験されてみると良いと思います。例えば、自転車のタイヤの空気入れとか、ボールの空気入れ、膨らんだビーチボールを凹ますのでも良いかもしれません。オルガンと違って音こそ出てきませんが、この”空気が出て行く時の質感”が掴めるようになると、フルートの音質は一気に上達すると思います。





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